インプラント法(Implant)とは、病気や怪我などで失われた組織や器官を人工物で補うことを言います。
歯科インプラントとは、歯が抜けてしまった部分にチタン等の金属でできた人工の歯根を埋め込み、顎の骨に固定された後に人工の歯を装着する治療法です。
笹本歯科ではCT完備により、安心に治療を進める事が出来ます。
インプラント治療は図のような5段階のステージで進められます。
インプラントは手術を伴う歯科治療ですから、十分な診査・診断を行わなければなりません。インプラント治療に支障のある病気をお持ちの方、もしくは疑いのある方はそれを改善しなければ、インプラント治療を受けることが出来ません。口腔内の状態が非常に汚れている方や、重度の進行状態にある歯周病の方も、すぐにインプラント治療を受けることが出来ません。口腔内が細菌に犯されている状態では手術時や術後に感染を起こし、失敗する可能性が高くなります。このような場合、歯周病の治療をまず優先します。
当院では位相差顕微鏡を用いて歯垢中の細菌の状態を観察し、一見口腔内が綺麗に見える方でも細菌数が多い場合は除菌処置を行います。インプラントを埋入する部位の骨の形態や骨質の診査、粘膜の状態の診査も必要です。噛み合わせや歯軋り等のブラキシズムの有無も審査しなければなりません。これらをクリアし、初めてインプラント治療を開始します。
インプラントは抜歯をしたときと同程度の麻酔薬をその部位に注射して、約1時間程度の手術で終わります。術中は麻酔が効いているため、痛みを感じません。術後に麻酔が覚めてからは、痛み止めと抗生物質の薬を飲んでいただくため、軽い痛みで過ごせます。この間は、うがい薬と飲み薬。
翌日かその次の日に傷口の消毒を行います。1週間後~10日後に抜糸と傷口の確認を行います。2週間後インプラント埋入部位の歯ブラシ指導をして、常に清潔な状態を保ちます。
インプラントは抜歯をしたときと同程度の麻酔薬をその部位に注射して、約1時間程度の手術で終わります。術中は麻酔が効いているため、痛みを感じません。術後に麻酔が覚めてからは、痛み止めと抗生物質の薬を飲んでいただくため、軽い痛みで過ごせます。この間は、うがい薬と飲み薬。
翌日かその次の日に傷口の消毒を行います。1週間後~10日後に抜糸と傷口の確認を行います。2週間後インプラント埋入部位の歯ブラシ指導をして、常に清潔な状態を保ちます。
1回法と2回法
インプラントには、埋入手術時にインプラントの頭を露出させる1回法(手術は1回で済む)と、インプラントの頭をまず歯肉で覆いインプラントを露出させない2回法があります。2回法はインプラントがオッセオインテグラーションした後にインプラントの頭を出す手術を再度行う必要があります。
当院では主に、ストローマン(ITI)インプラントを用いた1回法を選択しますが、骨造成術(骨を増やす手術)を行った場合や、審美性を回復するために必要なときには2回法を行うこともあります。
治癒期間が経過すると、顎の骨とインプラントが強固に固定されて(オッセオインテグレーション)、歯の頭をつける補綴処置が行えるようになります。歯型を取り、次のアポイントで歯の頭が付いて噛めるようになります。
インプラント治療に限らず、歯科治療後のプラークコントロールは重要なことですし、それを確認するためにも定期健診の受診は必要なことです。特に歯科インプラントは、内部環境(顎骨内)と外部環境(口腔内)とを貫通させているため、その部分を清潔にすることは患者さんにとって、最低限守らなければならないことです。
インプラント周囲に感染が起こった場合、天然歯に比べ痛みも少ないため本人は気づかない事が多いのがインプラントの特徴です。またインプラントは歯根膜を持たないため、回りの歯に変化が生じ、負担過重になったとしてもなかなか動揺も起きないため、本人は気が付きにくい点もあげられます。インプラントにこのようなトラブルが起きたとしても早期に発見することにより、そのインプラントを失うことなく治療を行うことが出来ます。
また、治療終了時は健康であったとしても、生体は加齢変化、病的変化を起すわけですから、それに応じた対応が必要になってくることもあります。メインテナンスは治療が終わって安心してしまうせいか、忘れられてしまいがちになりますが、このような理由により非常に大切なことです。
一言で言えば、欠損部(歯を失ったところ)に補綴(歯を入れること)を行う場合、残存歯や欠損部顎堤(歯がなくなったところの粘膜)に負担を強いるのが従来の補綴法であり、インプラント治療は欠損部顎骨に人工の歯根を支持させ補綴することです。
従来の補綴法とはいわゆるブリッジや義歯のことですが、ブリッジは健康な歯を削る事になり、その歯に負担を大きくかけます。また義歯は咀嚼機能そのものが劣り、異物感・使用感が決して良いものではありません。
また、局部義歯(部分入れ歯)も残存歯に負担をかけます。
残存歯に負担をかけず欠損部顎骨に支持をさせる補綴法としては歯科インプラントのほかに自家歯牙移植があります(歯の移植のページ参考)。
移植はインプラントに比べ歯根膜支持もありより天然歯に近い状態が獲得されます。しかし供給歯には限界があり、移植される欠損部にはインプラントに比べ骨量がより必要なこともあり、その適応症はごく限られたものになります。
また、予後はインプラントに比べ不安な部分もあります。
私は義歯やブリッジを望まない方にはインプラントを考える前に移植を検討することが良くありますが、上記の理由によりそれが無理な事が多々あります。
歯科インプラントは移植に比べサイズがある程度自由に選択できるため、骨量に対しての適用が増すこともあり幅広く多くの症例に治療を行うことが出来ます。
インプラントは天然歯に負担をかけない事はご理解できたかと思いますが、そればかりではなく、他の歯の負担を軽減出来る事も大きな利点であります。
以下のレントゲン写真をご覧ください。
インプラントを行う術前のレントゲン写真ですが、左下の親知らずが残存しています。この歯は歯根の周りの骨が溶けてグラグラした状態でした。インプラント補綴後抜歯の予定でした。しかし次の写真はインプラントに仮歯が入った後のレントゲン写真ですが、この親知らずを支える骨が再生しているところがはっきりとわかるようになって来ました。
これはインプラントを入れる前はこの親知らずにかなりの負担がかかりまわりの骨がとける程痛めつけられたものが、手前に咬合力を負担するインプラントが加わったため力が分散され親知らずを支える骨が再生したものと考えられます。このように歯科インプラントは歯の無いところに人工の歯を補うばかりではなく、しっかりと顎骨に収まることにより、他の天然歯の寿命までも延ばすことが出来るのです。このことが歯科インプラントの最大の利点と言えるでしょう。