歯周病の治療は、軽度のものであれば丁寧なブラッシングの習慣づけと歯石の除去により状態は改善されます。しかし進行した歯周病は歯肉・歯根膜・歯槽骨などが破壊されます。今までの治療法としては、病原菌に侵されたところを除去(歯周外科手術)したり、動揺している歯を固定したりするなどの処置を行ってきました。ただしこれらの処置は、歯周病の進行を食い止めるのが精一杯でした。
ところが近年、歯周外科手術を行い、歯槽骨などが破壊されたところを歯周組織再生療法専用の膜で覆う事により、侵された歯槽骨などの組織を再生させることができるようになりました。これはとても画期的なことです。もちろん、丁寧なブラッシングは怠れないのですが。
この程度であれば、レーザーを用いたり歯垢・歯石を十分に取り除いたりすることで、もとの状態に戻す事が可能です。
歯肉が炎症を起こし、歯槽骨の吸収を起こし始めます。
ここまで歯周病が進行するとGTR法が必要になります。
かなり歯槽骨の吸収がすすみ、歯の動きが感じられる様になり、膿がでて口臭が強くなります。
まず患部の歯垢・歯石を取り除き、患部の隅々まで清潔にします。
病原菌に侵された骨の表面もきれいに取り除きます。そして、歯槽骨や歯根膜が破壊された範囲を歯周組織再生療法専用の膜で覆います。
G.T.R法専用の膜で覆います。
数ヶ月で、まだ未熟ですが、新しい歯根膜と歯槽骨が再生されます。
ただこの治療法は、非常にデリケートで、治療中も治療後も、十分な口腔衛生管理が必要となります。
歯槽骨と歯根膜が再生されます。
最近色々な医療分野でレーザーを用いた治療が行なわれていますが、もちろん歯科でもなくてはならない物になってきました。
レーザーは強い殺菌効果や消炎鎮痛効果を持っていることから、歯周ポケットに照射して歯周病の治癒を促進させたり、なかなか治らない歯の根の治療に応用したりします。口臭予防にも、かなりの効果が得られます。抜歯等手術後の止血・消炎鎮痛にも非常に効果的です。この効果により抗生物質等の薬の使用を最小限にする事ができます。
また、歯肉のメラニン色素を取り除いたり、膿瘍切開(腫れた歯肉を切ること)を無麻酔で(痛くない)行ったりする事も可能です。それから知覚過敏症(虫歯でないのに歯がしみる)の治療にも非常に効果的です。副作用が無いという事もありがたい事です。
まあ、レーザーとは“私達歯科医を名医にしてくれる名脇役”といったところです。レーザを用いて歯肉に沈着したメラニン色素を除去しピンク色の美しい歯肉にする事が可能です。